- 2011-05-18 (水) 0:38
- 詩
ぼく 春に生まれたかかしだよ
ここの畑のおじさんが ぼくを作ってくれたんだ
ぼくはとっても良い気持ち
あったかいお日さまと
土のかほりは素敵だよ
毎日お花が咲くんだよ
おととい 一つ きのう 二つ
きょうは 五つも 花びら広げて
「はじめまして」って ぼくに笑いかけたんだ
三日前から友達の 小鳥がぼくにとまったよ
ふふふ くすぐったいよ
ほっぺにちゅーして 飛んでった
そうそう おじさんがぼくを作ったときに言ったんだ
「しっかり畑を守るんだ。悪いカラスをおっぱらっておくれ」って
ぼく がんばるよ!
でも カラスって どんなやつだろう?
ほく 夏も立ってるかかしだよ
おじさん ぼく わかったんだ
あれが カラス カラスだね
真黒な身体して ぼくの頭の上をまわってる
でも 毎日 カラスを見上げていると クラクラするよ
春にあんなにやさしかったお日さまが
とてもきつくなったみたい
どうしたんだろう?
おじさん ぼく 立ってるの 疲れたよ
ほく 秋も立ってるかかしだよ
おじさん すごいよ すばらしいよ
僕の足もと
野菜が実をつけたんだ
たくさん実をつけたんだ
でも このごろ カラスのやつ
ぼくにとまって 頭をつっつくよ
とっても とっても 痛いんだ
それになんだか カラスの数が
増えたみたいで ぼく こわい
でも 野菜は 大丈夫
ぜったい ぼくが 守ってみせる
ほく 冬も立ってるかかしだよ
おじさん ぼく 畑を守ったよ
えらかった?
でも このごろ さみしいんだ
おじさんも来てくれないし
ひとりぼっちになったみたい
それに 服も ボロボロ
とても寒いんだ
それに おじさん
ぼく 立ってるの 疲れたよ
ぼくも 飛んでみたい 走ってみたい
あの山 越えてみたいんだ
もしかしたら
そこは 春かもしれない
もしかしたら
そこに 友だちいるかもしれない
おじさん 今日 北風が言っていた
ぼくを 木枯らしに乗せて
あの山越えたところに
連れてってくれるって
ね おじさん
ぼくを作ってくれた おじさん
ごめんね ぼく 明日
木枯らしに乗ってみる!
春を探しに 行ってみる!
関連する投稿
- 新しい投稿 »: 当声優・ナレータースクールの第2週目の授業
- « 古い投稿: スクールやプロダクションを作ったきっかけ
コメント:0
トラックバック:0
- このエントリのトラックバック URL
- http://yokozawa-keiko.com/blog/%e8%a9%a9/2011-05-18/%e6%98%a5%e3%81%ab%e7%94%9f%e3%81%be%e3%82%8c%e3%81%9f%e3%81%8b%e3%81%8b%e3%81%97/trackback/
- Listed below are links to weblogs that reference
- 春に生まれたかかし から ラピュタ―その夢の先へ